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2016年10月16日 (日)

著作権に関する問題

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 著作権に関してはアメリカの勝利であり、「知財の米国化」が進むことになるでしょう。アメリカの映画やアニメ、キャラクタービジネス、巨大IT企業などは特許・著作権料で15.6兆円(2013年)もの外貨を稼ぐ輸出産業。TPPでは、当初から著作権保護強化と厳しい罰則規定を求めてきたのです。

1)著作権保護期間の延長:日本では著作権の保護期間は作者の死後50年ですが、TPPで70年に延長されます。これによって、著作権保護期間が終了した作品を無料で共有したり、再出版して新たな文化価値を生み出す活動(青空文庫など)が大きな制約や打撃を受けます。日本の著作権料の国際収支は年間約8000億円の赤字で、年々拡大しています。保護期間の延長でメリットを得るのはディズニーなどの企業でしかありません。

2)非親告罪化:日本では著作権侵害は、著作者自身が告訴しなければ国は起訴・処罰ができない「親告罪」です。しかしTPPでは非親告罪化、つまり本人以外の第3者からの通報によって捜査可能となり、パロディや二次創作などの萎縮が懸念されます。日本政府は非親告罪化は「商業的規模の海賊版」「原作の市場での収益性に大きな影響がある場合」に限定するとしていますが、定義は曖昧で警察当局の判断次第です。しかも海賊版の取り締まりは、各国の法律順守や締約国同士の警察の連携によって十分対処できることで、非親告罪化の必要はありません。

3)法定賠償金制度:日本では著作権が侵害された場合、権利者の実損害のみを賠償金として求めることがほとんどで、金額は少額です。一方、アメリカでは法定賠償金という制度が存在し、実損害の証明がなくても、裁判所が懲罰的な賠償金を決められます(1作品で15万ドルまでの法定賠償金や弁護士費用も別途請求)。これが導入されれば知財訴訟が頻発、賠償金も増加し、結果的にコンテンツビジネスが委縮する危険があります。何よりも、訴訟社会であるアメリカの裁判文化を持ち込むことにほかなりません。(内田聖子)

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