« ISDS条項の危険性 | トップページ | 予断を許さない米国大統領選挙とTPPの行方 »

2016年9月14日 (水)

ISDS条項で日本が訴えられる

4b

 政府は、これまでの仲裁のように投資受入国が不利にならないよう、濫訴防止の規定を盛り込んだので心配ないといいますが、本当でしょうか。

 北米自由貿易協定( NAFTA)では、「公正かつ衡平な待遇」というあいまいな義務に対する違反が、多くの仲裁判断の根拠になったことへの批判がありました。そのため TPPでは、「公正かつ衡平な待遇」の意味を明確にしたとされます。例えば、「 TPPや他の国際協定で違反があったとしても、公正衡平待遇義務の違反には必ずしもならない」とか、「投資家の正当な期待を裏切っただけでは義務違反にはならない」という規定があります。しかし、どうすれば義務違反になるのかという要件は明確にされず、恣意的な認定を防止することになっていません。結局は問題を放置したのです。

 また政府は、環境や健康のための規制は ISDSの例外(留保)になるとも説明していますが、そうとはいえません。この規定は、ある規制が「環境、健康その他の規制上の目的に配慮したもの」であっても、投資章のほかの全ての義務をクリアしなければ、例外にはならないというものです。結局、この例外は機能しない、無意味な条項といわざるをえません。

 このように、「日本が訴えられることはない」、「濫訴防止の規定が盛り込まれたので心配ない」というのは誤りです。 ISDSで訴えられれば、多額の裁判費用や賠償金を税金で負担することになります。国民の福祉や環境、健康のために制度を作ることを躊躇させかねません。これは「萎縮効果」( chilling effect)と呼ばれ、大きな問題になっています。(三雲崇正)

« ISDS条項の危険性 | トップページ | 予断を許さない米国大統領選挙とTPPの行方 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

TB有難うございます。

dendrodiumですが、あまり関わらない方が良いと思いますよ。書いてある事柄が普通に見れば善良で良識的な護憲左派。ところが…ダーウィンの進化論は科学的に間違っているとの摩訶不思議な狂信者なのですから驚くやら呆れるやら。アメリカではそれほど珍しくないが日本では矢張り珍しい。

コメントありがとうございます。できるだけ多くの人に問題点を知ってもらうために、ブロガーの思想に関係なくTBしています。

何か誤解があるようですが、ブロガーの思想など、個人の内心を問題としているのではありません。
民主主義の大原則では、個人の内心は聖域であり他人が干渉するべきではないのです。
『良いものだけを守る』ではだめで、異様なものも悪いと感じるようなものでも、無差別に守る必要があるのです。


過去の極左暴力集団に参加していてゲバ棒を振り回していた恥ずかしい過去の話をしているのではなくて、現在の話なのですよ。
善良で良識的な護憲左派を偽装していることを問題としているのです。
進化論を否定している事実を問題としているのではなくて、自分が進化論を否定している事実を必死に隠す今の態度を問題としているのです。
このような不真面目な偽装ブログに迂闊に出入りしていると、ご自分の信用問題ともなりますよ。同類項だと見做される危険性があります。

もし、今後もこのような悪質な偽装ブログと関係するようなら、残念ながら付き合えません。今後のTBは自粛してください。

政治・経済・社会・国際問題をあつかっている、さまざまな立場で異なる主張をしているブログにTBしています。別に特定のブログに関与する意図はありません。ご忠告ありがとうございます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/2413301/67491482

この記事へのトラックバック一覧です: ISDS条項で日本が訴えられる:

» 米中関係は良好?それとも? [dendrodium]
米中、パリ協定同時批准 温暖化対策では足並みを揃えたと、米中の親密度がもっぱらの評判になっている様であるが、中国は杭州空港でオバマ大統領に、赤絨毯どころかタラップも用 ... [続きを読む]

« ISDS条項の危険性 | トップページ | 予断を許さない米国大統領選挙とTPPの行方 »